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宇多喜代子『句集 雨の日』(KADOKAWA、2024)読了。
あとがきを読むと、体調を崩してらっしゃったとのこと。しかし、佳句がたくさんあった。平明な「普段着」の言葉で書いても、こうやって読者に染みるものになるのだな、と(私はどうしても格好つけた表現になるので……反省)

夏柳普通の雨がゆつくりと 宇多喜代子
永日や一日と一生入れ替る
良夜良し老いも楽しとこれは嘘
一掬の水飲み下す立夏かな
葉に跳ねて光を散らす夏の雨
薄紙に透けて雛の耳や鼻
曳く杖を分身として五月の野
亡き人らみな戻り来よ白障子

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