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ジェイソン・ヒッケル、野中香方子/訳『資本主義の次に来る世界 』(東洋経済新報社、2023)、読了。

先に宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波書店、2000)を読んでいたのでコモンズについては基本理解があった。しかし、資本主義の始まりから歴史については未知のことも多かった。囲い込み、植民地化、強奪、奴隷貿易……。資本主義の歴史において、成長は常に強奪のプロセスであった。自然と(ある種の)人間からの、エネルギーと労働の強奪である、と。
ヒッケルは計画的陳腐化を終わらせ、資源の消費に上限を 設定し、労働時間を短縮し、不平等を減らし、公共財を拡大することが、エネルギー要求を減らし、クリーンエネルギーに迅速に移行するために必要なステップだという。
〈長い間、わたしたちは資本主義と民主主義はセットになっていると教えられてきた。しかし実際には、両者はおそらく両立しない。資本主義は、生物界を犠牲にしても永続的な成長に執着し、多くの人が重視する持続可能性に背を向ける。この問題について発言の機会を与えられたら、大多数の人は、成長要求とは逆の、定常経済の原理に基づく経済を選択するだろう。言い換えれば、資本主義には反民主主義的な傾向があり、民主主義には反資本主義的な傾向があるのだ。〉

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