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山井教雄『まんが パレスチナ問題』(講談社、2005)、『続 まんが パレスチナ問題 「アラブの春」と「イスラム国」』(講談社、2015)読了。

ユダヤ人でエルサレムに住んでいるニッシムとパレスチナ人でエルサレムの東のアブディス村に住んでいるアリとエルサレムの猫によって、歴史的にパレスチナ問題を見ていく。
話は旧約聖書から始まる。これは良かった点。概略がわかり、取材に基づいた本だと思う。
岡真理の『ガザとは何か』と比べて読むと、「ハマスには否定的」「イスラエルの情報を鵜呑みにしている可能性がある」「両書ともエピローグが微妙」だと思う。ただ、岡が積極的に無視したハマスによる自爆テロ、その勧誘についての欺瞞を本書では指摘している。
私は岡の本の次に読んで良かったと思う。次は臼杵陽 ・鈴木啓之編著『パレスチナを知るための60章 エリア・スタディーズ』(明石書店、2016)を読む予定。

「中立」みたいなことではなく、イスラエルの非道さに焦点が当たっていたのも良かった点。ただ問題はそう単純ではなく、さまざまな政治的・我欲的なしがらみがあって、問題をややこしくしているのだということもよくわかった。

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