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源河 亨著『「美味しい」とは何か-食からひもとく美学入門 』(中央公論、2022)は記憶に残るとても良い本だった。味覚は本当に「それぞれ」なのか、という難問に真摯に向き合っている。
なのだけれど、酒についてはちょっと粗く、「酔ったら味なんかわかんねーよ」というところに寄っている。でも、本当は、舌及び身体が酔っていくなかでの時間的な味わいがお酒にはある。「酒が”開いてくる”とはどういうことか」みたいなことがあれば、もっと良かったと思う。酒が”開いてくる”のは、酒そのものが空気接触や加水などによって味が変わることのみならず、飲む人間の酔ってくる身体とも連動しているはず……。

本自体は、芸術の捉え方ともよく似ていて、とても良い本だった思い出。

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