荒井裕樹著『障害者差別を問いなおす』(筑摩書房、2020)に「青い芝」の横田弘に介助者の九龍ジョーが叱られた経験が載っている。横田の行く先を大きな荷物が塞いでいたのを「邪魔だろうな」と九龍がどかしたところを、「なんでどかしたんだ?それをどかしてなんて頼んでいない」と叱られたエピソードだ。障害者にはそうやって他人に勝手な先回りをされることで行動を制限されてきた歴史がある、と。すごく心に刺さった。私の「配慮」は当事者を制限しているのではないか……。

筑摩書房 障害者差別を問いなおす / 荒井 裕樹 著
chikumashobo.co.jp/product/978

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ビジョニズムにかかわる語彙について、直接的な差別語であるもの以外、例えば「可視化」などについては、①代替表現が却って障害となる、②それが空間表現である、という判断のもと、しばらくは使うことにしました。
またしばらくしたら見直して、そのときに修正するかもしれません。

《多くの場合「健全者」は障害者に比べて社会経験が豊富です。そのため「健全者」は、 自身の体験に基づいて、「障害者が進むべき道」を障害者に代わって判断してしまうことがあります。
例えば、「車椅子を押す」という行為一つをとってみても、障害者が「あそこに行きたい」といっても、介助者が「危ないから行くべきでない」と勝手に判断したり、障害者が 「あの道を通ってほしい」といっても、介助者が「こちらの道の方がよい」という判断を してしまうことがあります。
横田たちは、こうした「代わりにしてあげる」という発想を厳しく批判しました。 というのも横田たちは、「代わりにやってあげる」という「健全者」の姿勢によって、自分の ことを自分で考えたり、自らの意思によって物事を決めたりすることを禁じられてきた を持っていたからです。》
荒井裕樹著『障害者差別を問いなおす』(筑摩書房、2020)

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