※ハミルトン考察メモ
The World Was Wide Enoughの最後ではバーが自らを「歴史上の悪人」と客観的な視点を用いて言い表し、ハミルトンの物語の語り手としての役目は終えつつあることを示しているが、自らの物語の語り手となる余地はまだ残されている。
しかしこの作品はハミルトンの物語として幕を閉じる必要があり、その最終的な語り手としてLMMが適任と考えたのはイライザである。
語り手をバーから同時間軸のイライザにそのまま交代させるのは無理があるため、Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Storyの冒頭はワシントンが担うことになる。
ワシントンはハミルトンが亡くなる以前にこの世を去っており、彼が舞台上に姿を現した瞬間、観客はこれまでとは異なる時空で物語が語られることを認識する。
そして、ワシントンが1幕から投げかけ続けてきた"Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Story?"という問いの答えとして、ジェファソン、マディソン、(アンジェリカ)を経たのち、ハミルトンの物語の真の語り手としてイライザが登場するのだ。