『わたしたちの怪獣』の見本が届きました。装画の鈴木康士さんと装幀の岩郷重力さんに、世界でいちばん美しい本にしていただきました。表題作を含む四つの短編を収録しています。東京創元社より5月31日発売。よろしくお願いいたします。

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〈収録内容〉
「わたしたちの怪獣」
つかさが運転免許証を取得して家に帰ると、妹のあゆむが父親を殺害していた。テレビからは東京湾に怪獣が出現したというニュースが流れている。つかさは妹の殺人を隠蔽するため、父親の死体を家族の思い出の自動車〈トヨタ・カローラAE110型〉に載せて、怪獣が暴れる東京に棄てにいく。

「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」
〈改変法〉の制定により、時間を超えて災害や事故の犠牲者が救済されるようになった未来の日本。しかし、何者かが動画投稿サイトに存在しないはずの凄惨な事故の動画をアップロードする。〈時間局〉の非正規雇用職員である椎名は動画に魅入られ、狂気に陥っていく。

「夜の安らぎ」
両親を失い伯母の家で暮らす少女楓は、密かに従妹の未佳に想いを寄せているが、恋が叶わないことも承知している。孤独な現実から逃れるため、楓は夜の病院で出会った美貌の吸血鬼夜安に自分を吸血鬼にするよう懇願するが――。

「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」
伝説的な"Z級"映画『アタック・オブ・ザ・キラートマト』の上映中、トマトのように赤く頭が腫れあがったゾンビが街に出現する。小映画館〈シネマ一文〉に籠城する一癖も二癖もある観客たち。果たして彼らは生き延びて、上映を再開することができるだろうか?

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