日本統治時代の韓国を舞台にした作品で、特に好きな作品がふたつある。ユリョンとお嬢さん。
ユリョンの女性2人が権力と暴力による抑圧に銃を突きつける構成やお嬢さんの「現実では女は力ずくの関係で快楽を感じません」という強烈なカウンターを置き手紙として残して2人で逃げ出した展開にあそこまで心を打たれた理由を考えていた。
少なくとも10年くらい前のインターネットではひどいヘイトスピーチが蔓延してて、それと兼ねて女性に対して卑猥な言葉を用いて貶めるような文言も多く見られた。レイシズムは性差別も含めあらゆる差別に通じるものだと思うし、ずっとそれらが憎かった。
そういったものを打ち破れる可能性を示してくれたことが嬉しかった。
2作品の主役が女性2人なのもよい。なかなか可視化されづらいけど確実に燃えるような怒りを腹の底に抱えている人間を主役に置いてくれるのは、見てる側としても心臓を掴まれるような歓喜を覚える。
日本帝国主義的なものって、要はマイノリティを抑圧して全ての人間を国家に服従させるシステムだと思うんだけど、そういうものに反旗を翻し抗う人達はかっこいいよ。