シーラッハ「禁忌」読んだ
いや感想の言語化むっっっず
訳者後書き曰く本国で上梓されたときは賛否両論だったそうですが でしょうね
短編集の方と違って?短編集の方より強く?感じたのはエッシュブルクもビーグラーも著者の一側面なのではないかということ…これも訳者後書にあったビーグラーのエピソードの一部が著者の体験談から来ているって話、それよりもっと根本的な部分で…それもあって日本語版に寄せたシーラッハのメッセージ冒頭で良寛の辞世を引用してたのがやけに腑に落ちたりなど。
エッシュブルクの感情がどこにあるのか、徹底的に描写されないそれが本当にあったのか、彼の生きている精神世界がいわゆる一般人のそれとは隔絶しているので読者には最後まで窺い知れないのだけど、エッシュブルクの視点に立ってみると逆に全人類の精神・感情の所在が理解できないのかもしれず。
そんな世界でも出会って30分でセックスしてその後結婚して子作りまでしちゃうんだから西洋の価値観がよくわからなくなるのだった。相互理解がなくても勃つものが勃てば合体は可能!って動物的すぎんか。エッシュブルクのやったことより結婚して子供をもうけることが遺伝子レベルで刷り込まれているとしか思えない世界観の方がよっぽど理解不能だよ