冲方丁「骨灰」読んだ
せーの 一人称視点の精神干渉系ホラー最高ー!!
大して本を読む人間ではないので、祟りに侵された人間の様子がおかしくなっていく様を一人称視点で描いたホラーが一般的なのかどうかわからないまま新鮮に読んだ
自分自身の変質に気づかないまま「自分」だと思っていたものが失われていくのって本当に怖くて、人間なんて多かれ少なかれ昔の自分とは違う意見や思想を持ってたりするわけじゃないですか。あの頃の自分が今の自分のこういうところ見たら嫌がるだろうな、とか。
そういう些細だけど不可逆な変化の、見た目の振れ幅を極端にしたものがこういう変質の恐怖なんだけど、つまり振れ幅が極端になっただけで日々自分自身の身に起こってる変化なんですよねこれ~…っていうのが上手く言えないけど私のホラーのツボらしい。壁のシミがおぞましい死者の姿を形作るよりずっと怖いし呪いが一旦収束してもリアルにずっとついてまわる。そういう恐怖をみんな味わったらいいと思うのでおすすめです