『窓辺の愛書家』感想(ネタバレなし、謎の提示方法は言及あり)
帯では伏線の見事さと意外な真相を推してくるけど、who / why / how のどれも、読者が解けるような形式ではなく徐々に開示されていくスタイル。なので気楽に読んだほうがいい作品だった。気合い入れて謎解きする体で読んでたのでめちゃくちゃ拍子抜け。
ちょっと読み方を間違えたけど、面白いのは面白い。キャラクター立ってるの大好き!かつ自分で謎を解かずにジェットコースターにさらわれたい!あとで読み返して楽しみたい!人には超オススメ。ちなみに舞台はイギリスです。
ちょいちょい呟いていた通り、少し濃縮しすぎた感があるぐらい主要キャラクター達。中東系女性刑事と被害者と同じヴィラに住むおじいちゃんがゲイ、被害者を発見する介護士がクリミア出身のウクライナ人、寄り合いに使われるカフェの店主は三男坊のボンボンで元修道士。彼ら主要メンバー4人それぞれに人生の悩みを抱えていてその内心を吐露しながら、そして彼らの一人称視点が移り変わりながら物語は進むのだけれど、その悩みどころがちょっとステレオタイプ的なところもあり、なんだか無理やり多様性を意識したように見えてしまうのが惜しい。もうちょっと描き方があったんじゃないかなあ、と思った。
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