一方で今に視線を向けると、イスラエルによるジェノサイド(あえて要件定義の厳しいこの単語を使う)も、ICJは入植については国際法違反だと既に断じているにもかかわらず、戦闘が継続されている。もしこのまま最悪なことに完全に民族浄化が完了してしまったら、もうそれは後からいかようにも正当化されてしまうのではという恐れを強めた。力による現状変更とはそういうことなのだと。
しかしそのことによる苦しみはどれだけの年月が経っても無くならないし、語り継がねばならない。舞台からはそこに対する野田秀樹の強い意志を感じた。私自身の応答としては何もまとまらないけど、少なくとも今この作品を観られて良かったと思う。