Woke Capitalismとは、企業、とりわけ世界の名だたる多国籍企業が、社会正義に関わる諸問題にコミットする姿勢を積極化していることを、とりあえずは指す。諸問題とは、典型的には人種差別撤廃、性的少数者の権利獲得、気候変動問題等々であるが、それら諸問題において「政治的に正しい」(ポリティカリー・コレクト)とされる立場に企業は立ち、啓発キャンペーンを兼ねた広告のために多額の費用を投じ、寄付を行うなどしている。多国籍企業は、いまや利己カネ儲けを追求するのではなく、全人類の利益に貢献するという利他的な目的のために、貴重な儲けを投じつつある、というわけだ。