完全自腹でのZINE製作&展開としたのはこの記事が決め手でもある。
どのような形であれ有償性を指摘された時に抗弁出来ないのはいかに趣味の範疇での活動でもやっぱりよくないよな、と感じたから。
また活動の反復と「業」との関連性に疑義が挟まれるリスクも考慮し、2冊出したあと「ブースター」制度による追補を行ったほかはZINE制作を継続していない。

しかし、好きな動物を愛でるだけではなく深く掘り下げ、「冊子を出す」文化は動物園界隈に根付いてきている、と感じる。その先鞭をつける役割を担えたのは嬉しい。

生活綴方の安達茉莉子さんも高埜さんより早い時期、同じような軌跡を辿って組織を出ている。安達さんの柔らかい文章に何度も救われてきたが、そこに辿り着くまでにどんな苦難があったか、想像を絶する。

meandyou.net/202205-marikoadac

「魂が求める方向に」という転身の動機を語っているもうひとりは、コーチャーとして活躍しアーティストとしての活動も展開している川端元子さん。半年だけ近い部署で働いたこともある。退職される直前の親睦会で「視野を広く持ち続けてね」と声をかけてもらったことを思い出す。

galleryconceal.com/blogs/past-

ここに挙げた3名の方のように、内発的な強い動機と制度/組織/業務との乖離をきっかけに組織から離れ、自己の信じる表現の道へと進んでいる男性の先輩は、私の知る限り皆無である。いや、いるのかも知れないが、不可視化されている。はっきりと言えば、ロールモデルがないのである。
(法が高らかに謳おうとも)命や人生を投げ打つほどの滅私の時代ではもはやなくなったのだし、大多数は「うまいことやっている」のだろうか。私自身も今は納得して自己を組織に最適化させており、その足場を礎にして生活を組み立てようとしているが、違和感を拭い去れなかったとき、しなやかにそよいでいけるだろうか。そよ風の季節は終わり、まとわりつく梅雨がやってくる。

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