カラカラッと神社の鈴が鳴る。節分も過ぎて少し遅い初詣にやって来た私達。最近好きな人から恋人になったアルウェスと一緒に巡る境内は、昨晩降り積もった雪のせいか、いつもより静かで、肺を満たす冷たい空気にピンっと背筋が伸びた。寒さで悴みそうな指先は隣の体温で温めさせて貰おう。
「冷たっ」
「隙ありっ。あんたはいつも暖かいわよね」
後ろから両頬を不意打ちで掴めば、びっくりしたようにその手を取られ、そのままコートにイン。ちょっとまだ照れ臭いけど、手を繋げるのがちょっと嬉しかったりして。
「あ、御神籤」
「引く?」
「うん!」
こっちこっちとぐいぐい手を引っ張れば、そんなに急がなくてもお御籤は逃げないよ、なんて甘く笑うもんだから、どきっとしてどんどん心拍数が上がっていく。うぅ、スケコマシめ。
「負けないんだからっ……くっそっ」
「ぷぷっ、中吉? 勝ったね」
私の手元を覗き込んだあいつが、勝ち誇ったように自身の引いたお御籤を見せつけるように掲げた。
「だ、大吉……」
で、でも大吉でも色々あるって言うからひょっとしたら、ハズレ大吉かもしれない。何が書いてあるか見てやろうと覗き込めば、ひょいっと躱される。むむ。
「それよりもさ。ね、さっき何お願いしたの?」
「……秘密」
#1T67SS