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お泊まりセットがそのうち置かれるようになる 

何度目となるか分からない夕飯のお誘いをヘルからされたその日、確認なんだけどと前置きして質問された。明日、人と会う予定ある?と。
明日は休日だが、特に誰かと会う予定は無かったのでその旨を伝えると、なら大丈夫かな、なんて一人で納得していたので僕からも理由を尋ねた。
「今回作りすぎたのがね、餃子なの」
「餃子」
「ニンニクがっつり使ってるから、口臭気になるかと思って」
生姜のもおいしいけどガツンとしたのが食べたかったのよねなどと言う。
「それ、僕と君の間ではいいの?」
「お互いニンニクのにおいしてたら分かんないでしょ」
「……なるほど?」
同じにおいを纏っていたら気づかないだろうと、そういうことらしい。そこまで言われてふむ、と少し考えた。
「……どうせなら泊まっていい?」
「え、なんでよ」
「餃子食べてビール呑んでまったりして次の日帰れたら最高かなって」
「満喫する気満々か?言っとくけどビールはないわよ、飲めないもん私」
「僕が呑むから自分で持ってく。着替えも」
「じゃあいいんじゃない。どうせビールくらいじゃあんた酔わないだろうし世話はしないわよ。餃子は出すけど」
「充分だよ」
拒否され無かったのは良かったが、こんなことを許容するのは僕だけであってほしいと切に思った。

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