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20年以上ぶりの再読。背景には結構おもしろそうなSF設定が詰まっていそうなのだけどヒントが少ないので、ぼんやりとした妄想で済ませるほかないが、再読してそういった要素もあったんだなと気づいた。

連盟なるものに管理されている人口の激減した世界でおそらく13歳くらいの男の子たちが自分たちの世界のなかで葛藤したり悩んだり嫉妬したりしつつという青少年期の日々を描く。作者のフェチであろうと思わしき要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれているのが特徴だが半ズボンの少年やドールのような少年には昔から興味はなかったが(筋骨隆々のオッサンが好きなため)鉱石や鉱石ラジオ、麵麭などと漢字で表記される食べ物には心を動かされたものである。

10代の頃ハマっていたものを何十年も経ってから手に取るとシラケることもあり、この再読もどうなるかな? と思っていたが、頭の中が久しぶりに美しい景色の映像を描いてかなり満足した。

謎の少年は何を表しているのか、少年をバディとする理由など、いろいろと読み解きができそうな気もするのだが、今は霙雨に烟る橡の林の風景に心をひたして伸びやかな気持ちで眠ろうと思う。

天体議会 :長野 まゆみ | 河出書房新社 kawade.co.jp/np/isbn/978430940

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