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インタビュー形式でタイトルにある「多読術」を体験談などを交え引き出そうという試み。ゆえに松岡正剛ファンによるファンブックみたいな様相を呈している。初っ端から「セイゴオ」呼び、そしてこの人物が何者なのかも不明なまま始まる。
インタビュワー側の結論を急ぐ前のめりな感じや「編集工学」に対しての理解の浅さなのか単にインタビューがへたなのかはわからないが、うまく引き出せているわけではない。

身内ノリ感とインタビュワーの言葉遣いから感じるうまいことまとめよう感そして失敗が繰り返さえるのがとりあえず気になる。
今だったら削除されていそうな昔の悪行やちくまプリマー新書というレーベルで下ネタか……と、いったん白目を剥きながら、発行からまだ20年経っていないのにこんなに世の中は変わったかとしみじみとした。初期のちくまプリマー新書のよくないところがよく出ている。

色んな意味で問題のある本だが、読書の仕方や読書に関する問題点などに関しては至極真っ当。その中でも特徴があるのは、松岡正剛の情緒面で語られる読書の景色だろう。

筑摩書房 多読術 / 松岡 正剛 著
chikumashobo.co.jp/product/978

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