『ふだんづかいの倫理学』平尾昌宏
私たちは一人で好き勝手に、ではなく社会の中で、さまざまな人々と共にバランスをとりながら生きていく必要がある。
本書では、身近な事柄を出発点に、人生のさまざまな面を取り扱うことで、広い視野でバランスよく人生や物語を解釈できるようになること、自分で自分の人生の生き方をデザインできるようになることを目指す。
私が本書を読んだ理由は「再度ネチケットが必要なのでは?」と思ったからだ。倫理を知る必要があると思った。
大昔は一人の人間が交流できる範囲は狭く、影響が及ぶ範囲も狭かった。しかし、その頃にも倫理学は存在した。力を持ち人々に影響を及ぼす権力者は存在していたからだ。彼らには「義務」として道徳・倫理があり、力の暴走を防ぐための知識「倫理学」があったという。
現在、一般人も気軽に移動ができ、インターネットの普及で多くの人々と交流が可能になった。それは、我々が大昔の権力者のように力を暴走させないための知識として倫理学が必要になったということだ。
日々炎上中傷だのを見かける昨今。いまこそ一人ひとりが、ふだんづかいできる倫理学を身につけ、倫理的判断ができるようになる必要があるだろう。