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国際比較した日本農業の土地生産性の高さについての話が流れてきたんだけども、国際比較可能な土地生産性というと金額ベースだと思うのね。これで農業の能力を図るのには3つの問題がある。
1つは土地利用型作物が低くなる指標の性質。県別で見ると北海道新潟が低く、宮崎愛知高知などの施設園芸地域が高い。山梨は果樹の高級品が引き上げている。
狭い施設で高効率に野菜を生産する、高く売れる嗜好品を作ることで土地生産性は上がるけど、人々の食を支える穀類やキャベツなどの露地畑の野菜生産が評価できない。
2つ目は流通しないものを国際比較する意義。例えばオランダの高度園芸施設で生産される作物は輸出を前提としていて、商圏で共通の価値を持つ。一方で日本の園芸施設で生産されるものは基本的に国内向けで、国内価格を為替で換算したものが土地生産性の国際比較になる。ローカルな価値の比較になってしまう。
3つ目は土地生産性は経営体の状況をきちんと反映できているわけではないこと。狭い土地でめちゃくちゃ手間をかけて高級品を作れば土地生産性は上がる。しかし手間を省いて一般向け品質のものをもっと広い土地で作った方が儲かるかもしれない。経営体や従事者がやっていけるかどうかは経費や労働力に対する生産性が重要。

同一品目反収という意味での土地生産性なら、例えば日本の大豆は反収が伸び悩んでいるし、高度園芸施設は先進国に学んでいる最中。デルフィーの斉藤さんの記事はどこでも見かけるし、プリヴァ社とかのシステムを丸ごと導入してコンサルタントに習いながらやってるとこも多い。
日本の金額ベース土地生産性の高さは、安価な食糧は輸入に頼り国産は高級品扱いという供給構造の結果と読んだ方がいいと思う。

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