L・スコットライン『似た女』の好きな所
・主人公のベニーが「Aという罪を犯した人間はAという罪を犯したという点でのみ裁かれるべきでその人間が善人でも悪人でもBという犯していない罪で裁かれるのは間違っている」という姿勢である所。
実際に犯したAという罪を何らかの理由で裁けないからしかたなくBという罪で裁くという策略を巡らせる話も十分面白いとは思うんだけど、今作においては法廷における「正義」がテーマだろうから主人公のこういう姿勢に安心させられた。
・「血縁」による「家族」が全てではないというメッセージを明確にしつつそこに縛られてしまうもどかしさ、辛さも描いている所。
グレイディーが自分の兄のことを家族と思っていないって言った所で私はめちゃくちゃ喜んだからね…。