たらちねジョン『海が走るエンドロール』4巻
おもしろかった。4冊の中で一番好きかも。
たらちねジョンさん好きなのに、この作品には今ひとつハマれてなくて、理由はたぶん「対象のマジョリティ化」だったと思う。
この人の作品は、リーチする母数は広くはないかもだし、その中でも物語は平らに見えて、しかし特定の人たちにはものすごく深く刺さる! ような、そういう作品だったように感じていた。
紙鑢みたいに削られてしまうんだけど、お水でさーっと流されると陽だまりがあった! みたいな。今作は違う。
これまでの作品は、モブたちすらまた肉をもった「人間〜!」だったが、今作はそういう体温を感じられていなかった。
「キャラたちの人生があって、それが物語に整えられて提示された」みたいな感じだったのに今作は、展開のためにキャラがいて、そこに物語がひっつけらている、みたいな……。
でも4巻は、少し人間ぽさが見えてきた気がする。それはうみ子さんの変化が、そうだからなのかも。うみ子さんが人間になってきた?
5巻も楽しみにしたい。楽しみに続きを待てるようになって嬉しいな。