菅野彰『色悪作家と校正者の多情』
おもしろかった。どんどんおもしろくなるな。
保守的ジェンダー観の強化にもなり得るものなのでそこは留意が必要ではあるけど、クソ傲慢な俺様男が複数の年上の女たちに手も足も出ずそれぞれにコテンパンにされて地団駄踏んでいる様子、素直に可愛いんだわ。
それを見て、攻めのこと「色悪」としか言いようのない最悪なモテ男かと思っていたけど、実はあなた本当はモテないのでは?
「愚かな女がいい」とか言うのは、勝てた試しがないからただの願望だったのですねみたいに見え方の転換が訪れるのも本当に笑う。
受けくんは優しさや思いやりのつもりでうっかり引導を渡してしまうタイプなのだけど(人間レベルが不器用なので)、サクリサクリと攻めくんのこと殺し過ぎで笑ってしまう。もっとやって。私は俺様攻めくんの度量の広さに感服しつつあります。
読書感想が「一緒だと嬉しい」感覚について、悪く言えば「世界征服」だとした記述が心に残る。その願望は、悪く言えばだけど、根本的な無理解と傲慢、我儘だもんな。
たしかになー!