メインクエストレベル99(ほぼ5.3ifの妄想)
暁の皆をソウル・サイフォンで無事に送り出した。左腕も完全に鉱石のものとなり、塔から離れられる範囲も徐々に狭まっていく。無理をしたぶん結晶化は徐々に進んでいるが、まだいくらかは保つだろう。日毎どこかがクリスタルに変じていく体を見て英雄殿は痛ましそうに眉を下げるも、私は幸せだった。彼は今も時折第一世界を訪れては、ささやかな冒険に誘ってくれるのだ。ジョッブ砦、オスタル厳命城、あるいはクリアメルト。遠い昔にそうしたような、危険や謎や浪漫の詰まった大冒険とはとても呼べない、散歩の延長のようなそれであっても、傍らにそのひとがいるだけで景色のすべてが違って見えた。
なんと眩しく、やさしい夢か。あなたが笑って、息をして、そこに在るだけで、こんなにも幸せだった。
ほんとうは、それだけで良かったのだ。