本数を観ていても『シベリア超特急』を撮ってしまった水野晴郎という人がいる。
淀川長治は映画監督になるには1本の映画を10回観るべきみたいなことを言ってて、その一方でワイラーの『孔雀夫人』を観ていなかった蓮實をいじめたりもしている。
クリエイターや批評家がどれだけ作品に触れたらいいのかというのはよくわからないし、発表されたものが良ければそれでいいとは思う。しかし、優れたクリエイターのほとんどは結局そのジャンルにめちゃくちゃ詳しいなと思うことが多い。
ちなみに淀川の言葉を真に受けたガイナックスの山賀博之は『がんばれ!ベアーズ特訓中』(よりによって特訓中のほう!)を10回観て監督になってしまった。もっともその後の山賀博之は…という話もあるにはある。