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この手のエロ本自販機はいまや絶滅寸前だけども、おれがガキの頃は国道沿いとかあちこちにあった。

昼はマジックミラーみたいにテカって中が見えなくなってる。そのメカニックに気づいたのはだいぶあと。

この自販機があったころ、自販機ばかりの店があちこちにあった。飲み物や食べ物のほかに、ゲーム機やこの手の自販機が店内店外に並べられてて、おれらはゲームを目当てによく行ってた。平成ヤングがコンビニ前にたむろする感覚。

で、放課後テーブルのTVゲームに興じてるとダッフルコートを着た大学生が紙袋を持ってエロ本の自販機の真ん前にずっと立ってて、あいつは狂ってると思って遠巻きに見ていた。前記のようにマジックミラーになってるとか知らないから、何も売ってない自販機の前でただ立ってるだけと思ってたんだよな。

それが近づくことで影を作って少し中が見えるからそれで何を買うか吟味していたと知ったのはそれから何年後。

なお、エロ本を買うことは滅多になかったね。エロ本は拾うものだったから。河原の橋の下や製紙工場のちり紙交換で集めた本の塊にあった。

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