現在、スーダンにおいても紛争の中で虐殺と民族浄化が進んでおり、将来的に大規模なものになることが懸念されている。前回に同地で起きた虐殺は数十万人の人が死に、今回もすでに死者が出始めており、避難者も数万人規模になっている。今も、今までも、虐殺はさまざまなところで進行している。
イスラエルのガザでの虐殺は、大国の枠組みの内側で虐殺が起きていることを明らかにした。そして、スーダンでの虐殺のような出来事に、大国は一貫して非難を示し続けており、それはイスラエルと大国が行っていることことを踏まえると、虐殺を大国の枠組みの外、社会の外に追放し続けて、内側に虐殺がないとする機能があったとも考えられてしまう。そうであるなら、そして大国の枠組みの内側に虐殺があることに怒り止めるためには、こうした多数の虐殺を大国の枠組みの中にあるものとして捉え直し、それらの差異をみながらつないでいくことが必要だと思っている。