事故により国境を越えた北朝鮮の漁師。
北に戻るために、何も見ないと目をつぶり続ける彼
だが、韓国から過酷な拷問と亡命の強要を受ける
執拗に迫る韓国の警察官にも、ようやく帰国した北の国境警備員にも、それぞれの思いや事情があるにしても、それでも苦しく悲しい結末だ
南の視点で「救う」と言いつつも資本主義の空虚さは否めない。かと言って、残された妻を拷問したであろう北が良い訳でもない。
両国で苦しみ抜かれた末端の人間の悲しさが、心臓をグイグイと抉ってくる。
若い捜査官の優しさ温かさが唯一の救いか。
映画としても、相変わらずハッとするような絵を撮るキドクだった。
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