既に耕作放棄した農地にイノシシ用の柵が残っている。亡き父が50年以上前に設置したもので、波板トタンとL型アングル鉄棒が使われている。
常々、あの柵をばらして、材料を再利用しようと思っていたが、今日、やっと、L型アングル鉄棒を12本、波板トタンを4枚、回収することが出来た。まだ何本か残っているが、引き抜くのに結構な労力を要するので、今日はもう力尽きた。
地中に埋まっていた部分は腐食して脆くなっていたので、村の備品である切断機を借りてきて、切り落とした。
父は、物にはそれを作った人の命がこもっているので、無駄にしてはいけない、と言い、廃材に含まれていた折れ釘を叩いて伸ばして使う人だった。今も、父から受け継いだ道具箱には、そういう釘が残っている。
父がいれば、今日の仕事の成果をどや顔で自慢するのだが。