森林組合が村山の間伐作業に入っているのだが、墓の近くに木が倒れたのでどのように処理すべきか指示してくれ、と言ってきた。
区長(自治会長)としては、それなりの手順を経て決めるべきだと思ったので、山林係と墓の関係者に声を掛けて、現地検分に行った。
墓は林の中にある。現在は4軒の家の墓があるだけで、しかもそのうちの2軒は最近になって人が絶えたり村から出て行ったりした。薄暗い場所にある寂しい墓地だ。
うち捨てられた墓石がいくつか残っていた。
しかし、この場所は「平野(ひらの)」という名の比較的なだらかな山腹で、現在は人造林になっている(だから森林組合が間伐に入っている)が、かつては牛の放牧場(マグサ場)だったそうだ。そして、村中の墓がここにあったと言う。その当時は明るい墓地だったのだろうな。そんな景色を見てみたかった。