数年ぶりにクリスマス帰省するコリンズが本日何度目かの「やっぱり帰るのやめようかな」という台詞を吐いた。数日とはいえファリアと離れたくないと言う。ファリアも一緒に来ないかと誘われたが二人の仲を秘密にしたままコリンズの家族に会うのは気が引けた。
戦前何度か会ったことのある彼らは本当に良い人達だっただけにいつか堂々と会える時が来ればいいとファリアは思っている。コリンズが望んでいたとはいえ何年もクリスマスにコリンズを独占していたことを申し訳なく思っていたファリアは、今回の帰省ではうんと家族孝行をして欲しいのだった。
そんなことを思って帰省させることに積極的なファリアにコリンズが「俺がいなくても寂しくないの?」なとど拗ねてみせるのは恋人同士のじゃれあいのうちである。
「ちゃんと待っててね」そう言って家を出たコリンズの背中を見送りながら、「待てるさ」とファリアは呟いた。