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ただの個人的な
述懐なんだけど…
私がまだ小学校に上がる
前の幼稚園児の頃に、
会社を経営していた
母方の祖父の事務所に
多分市内では
先駆けだったであろう
コピー機が届いた。
祖父の会社に勤めていた
まだ若かった父たちは
珍しがって事務所に集まり
何かをコピーしようと
いうことになり、最初に
父の腕時計をコピーした。
そして父の後について
その場にいた私は印刷された
腕時計のコピーを父から
もらった。
寸分たがわずコピーされた
腕時計に驚くより何より
時間が止まっていることに
衝撃を受けた私は心の中で
(父の腕時計が欲しい!)
と強く思っていた。
半世紀以上を経て父は亡くなり
私への形見に
その腕時計だけを遺した。
まったくの個人的な出来事で
何の文脈もなく、生活や
社会や世界とも関係ない
ただそれだけの事だけど
今ふとそんな事を
思い出した。笑

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