豊田市美術館のリヒター展に行ってきました。リヒターは東京の国立近代美術館には3回行ったのですが、豊田では違うキュレーターが構成しただけでこれだけ印象が異なるのかと驚きました。個人的には混沌としたイメージを持った東近美より、豊田の製作年に沿った並べ方のほうが頭にすっと入ってくる気がしました。カテゴライズして、作者の変化の過程がわかる方が私には理解(リヒターを理解というのは少しおこがましいのですが)しやすいということなんだと思います。あと東近美で確かに見たはずなのに覚えてなかった絵に気がついたり。
豊田のみの展示として、2022年の新作《mood》が31点ありました。水彩絵の具を使ったシリーズのフォトバージョンです。2021年のモノクロのドローイングのあとに続くこの新作は色彩があり、リヒターは今こういう気分なんですねと思ったと同時に、90歳という年齢になっても創作のさらなる未来を感じました。