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渡辺祐真さんの「物語のカギ」を読んだ。SNSなどで誰かが本の感想を述べていると、時々その洞察力に驚くことがある。同じものを読んでも自分は表面をなぞるだけで終わることが多く、ひそかに悩んでいた。

「物語のカギ」には、作品を深く理解するための方法論がたくさん紹介されていた。ジャラジャラとたくさんのカギの束を持っていれば、どれかがうまく鍵穴にはまってさらに物語の奥深くに通じる扉が開くこともある。そのためにはいろいろな種類のカギを集めなければならない。

渡辺さんが例に取り上げている作品も多岐におよび、古典から漫画まで、どれも新たな目線で読みたくなるものばかりだ。個人的には「呪術廻戦」で登場人物たちは何を祓っているのか、呪いに込められたメタファーとは?にもなるほどとうなずいてしまった。メタファーや視点などの基本的な「カギ」から、新しい批評理論も紹介されていてとても勉強になった。本を読む意欲が湧いてくる。

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