豆瓣小組で「陳恭は生きているのではないか」説が議論されている。その可能性は低いとわかっていても、そうであって欲しいと思う人は多いだろうな。それくらい彼の結末は見ているこちらには複雑な印象を残すものだったから。
でも、「そうあって欲しい」と思う一方で、それは彼にとって望ましい結末なのだろうかとも考える。最後の方の彼はとてつもなく重いものを背負って、それでもそれに押し潰されまいと踏みとどまってるいるようでもあり、同時にその使命感だけが彼をこの世界に繋ぎ止めているようでもあったから。
翟悦を失った後、彼が本当の意味で「生きていた」のは黃預と向かい合ったあの瞬間だけだったようにも思える。蜀漢に戻ってからの彼とは別人のような生気を感じさせたあの瞬間を最後に多くの人の命を背負って失敗することの許されない「任務」だけが彼を突き動かしていたように思えるからこそ、そんな生き方がこれ以上続くのは彼にとってあまりにも残酷なのではないかと感じる。
やっぱり翟悦と2人、穏やかで幸せな生活を送らせてあげたかった。