UFOを見た話を聴かせてもらって、いろいろ考えている。
話してくれた人は明るくいつも人に囲まれているような人なので、ついてっきりオープンに語っている話なのだとおもっていたけど、全然違った。ほとんど家族にも話していないような、ある種の緊張感が漂う、ちょっとデリケートな話だった。sublimeに近い体験でもあったと思う。
UFOだとかUMAだとか妖怪だとか心霊現象とか、そういったものはすぐ信じる/信じないという話になるけど、そうじゃないんですよね。UFOや河童が実際にいるかどうかなんかぶっちゃけどうでもよくて、なんというか生の語りからは、ある人がそれを見たと信じていること、そして(特に現代においては)それを胸の内に秘めておくのではなく、密やかにだが語らずにはおれないということにある種の切実さを感じる。
震災以降の東北の幽霊譚なんかもまさにそうだと思う。たとえば黒木あるじさんや小田イ輔さんの怪談はそういう声を掬い取っている気がする。
こういう話になると、過剰に否定的になる人は多いとおもうんだけど、ちょっと違うんじゃないかな。もっと違う受け止めかたがあるとおもう。