国立ハンセン病資料館に行って来ましたが、常設展、企画展ともに素晴らしかった。遠いのでつねづね行きたいなとおもいつつ行けていなかったのですが、行くことができて本当によかった。
ハンセン病の人びとのなかでも、外国籍やクィアの人びとをわずかながら掘り起こそうという意欲が感じられてとてもよかった。
特に戦後の『いのちの芽』という詩集を取り上げた企画展では、船城稔美という(おそらく)トランス女性の詩人をささやかながら取り上げていて、胸を打たれた。戦前は船城稔と名乗っておられたが、戦後はほぼカミングアウトした状態で、女性として生ききったかただということだった。50-60年代というと、ハンセン病のかたがただけでなく、全国的に詩がもりもり書かれた時期だとおもうけど、船城さんは誰も詩を書かなくなっても、ひとり死の直前まで書き続けたと教えてもらった。
世界的にもっとも惨たらしい境遇に置かれた日本のハンセン病患者たちが、素晴らしい膨大な詩を遺したことに打ちのめされる。いくつかの詩を夢中でメモし「どこかで読めるだろうか」と思いながら外へ出たら、美しい復刻版を無料配布していて驚きました。最高の税金の使いかただし、みんなもらいに行きましょう。5/7までですが、行ける人はぜひ行ってほしい。