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だいぶ前にThe Whaleを観賞。
1)現代日本のボキャブラリーでいう「自業自得」な男が死を間際にして、直前の一週間を描く室内劇。そうした境遇でも他罰的にならず、棘のある言葉に言い返すこともなくただ傷ついているような優しい眼差しが印象に残る。物語は宗教や同性婚や文学の要素も絡んで予想外に複雑だったけど、観てよかった。
2)最も意外だったのは、オリジナル脚本ではなくて元々は戯曲だったということ。同監督の過去作「レスラー」(2008)のように今回も、主演のB•フレイザーありきの話なのかと思っていたので、原作があったとは思わなかった。実際、主演が決まるまで時間を要したらしく、あのはまり具合は奇跡のようなキャスティングだと感じた。
3)気になった点:映画の設定はパンデミック前の2016年らしく、その割に主人公がリモートで仕事(大学のオンライン授業)をしているのが、アメリカでは当時から普通のことだったのか疑問。戯曲の初演は2012年とのことだけど、他の別の設定があったのかな。
4)“棘のある言葉に言い返すこともなくただ傷ついている” まさにそのままの場面が上がっていたので最後に貼っておきます。
youtube.com/watch?v=W2rvflNJd6

5)舞台作品を映画化することで作品として新たに得られたものは何か、という点についてはまた考えたい。映画でしかできないことがあったのか。もちろん「ブレンダン•フレイザー復活ののろし!」という喜ばしいニュースも結果的にはあったけれど、あくまで作品としてどうだったのか。

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