「傷つく人がいる」「時代にそぐわない」「差別的だ」といった善悪的な考え方とは関係なく、私もハゲネタの面白さがわからない。とりあえずハゲに突っ込んでもらわないと本題に入れないというのもカルチャーショックみがある。同じ社会に住んでいるのだが、異文化接触だ。
それで気になってハゲネタについていろいろ検索してたら、「ハゲネタってどの辺が面白いんですか?全然わからない」的な質問をしている人がけっこういたわ。なので、双方の割合がどれくらいかは分からないけど、みんながみんな共有している感覚ではないのは確か。ていうかそんなこと他にもいくらでもあるな。同じ社会に住んでても見えてる世界が全然違うってことはいくらでもあったわ。(英会話の白人男性講師に出会い目的ではない比較的安全な言語交換アプリを勧められてやってみたけど、アジア人女性の私には全然安全な場所ではなかった…)

質問の仕方が粗すぎるとは思うけど、文春オンラインの2021年の「自虐ネタを見たいか見たくないか」アンケートでは全体では、「見たい」13.9%、「あまり見たくない」40.3%、「絶対に見たくない」25.2%、「どちらとも言えない」20.6%で見たくない方が多数派なんだよな。
bunshun.jp/articles/-/45206

もちろん「自虐ネタを見たい」と「ハゲにはとりあえず突っ込んでもらいたい」は別物だけど。

アンケートの続編記事にお笑い評論家の人が出て来て語ってるんだけどいろいろ反論したいところがある
bunshun.jp/articles/-/45275?pa

黒人差別をネタにする黒人芸人もいる→「黒人差別するヤツ・社会」を笑うネタなのでは?日本の自虐ネタとは方向性が違う

現実には容姿差別があるのに、お笑いのネタでは一切それが存在しないかのように振る舞わないといけないのは不自然だし不健全→そんなこと求めてない。現実には差別があるのは重々承知してる。それをネタにしてもよいがするなら面白く、自虐以外にしてほしい

「アインシュタインの稲田直樹さんの顔を初めて見た人の中には『顔のことに触れていいのかな……』と不安になる人もいるかもしれません。その意味では、芸人仲間が稲田さんの容姿をネタにしてイジるのは、見る側のモヤモヤを解消しているという側面もある」→そのモヤモヤが理解できないのでまさにカルチャーショック。そういう人は勝手にモヤモヤさせておけばよいのではと思ってしまう。ちなみに稲田さんの顔は個性的だけど(似顔絵にしやすそう)そこまでのレベルでは全然ないと思う…

昔まだ若者だったころ、本屋でレジに入ってて。レジに本をもってきたお客さんがいたんだけど、カバーしたりなんだりあるからずーっと下向いて接客してたのね。それで最後にパッと顔あげたらお客さんがいわゆるユニークフェイスの人で、勝手に不意を突かれた私は驚いてあからさまに息をのんで「ヒュッ」って音がしてしまった。悪意のない巣の反応だったからこそ相手を深く傷つけたのではないかと思って(その人からしたら私が1万人目とかだろうけど)、何十年も経つけど未だに忘れてない。
そういう記憶があるので、稲田さんの顔で『顔のことに触れていいのかな』と不安になるというのがもう、なんていうか、不安になってるのはお前の方じゃねえわ!触れない方がいいに決まってるだろ!!と思ってしまう。

それに、この評論家の人の「『顔のことに触れていいのかな……』と不安になる人もいるかもしれません」、「かもしれません」てなってるとおりただの推測だしな。実際人の容姿がそこまで気になる人って、どれくらいの割合でいるんだろう。

自虐ネタ見たい・見たくないのアンケート記事でいろんな意見が性別と年齢つきで掲載されてたけど、ほんとまちまちで。世代はあまり関係ないようだった。高齢男性がけっこう「容姿自虐は芸じゃない、レベルが低すぎる、話芸で勝負してほしい」みたいなこと言ってた。

ちなみに私はニキビ痕がけっこう酷くてこれさえ無ければ人生が大きく違ってただろうなと思うレベルで何十年も気にしてきたので、ブラマヨ吉田の顔ブツブツネタはマジで1ミリも笑えない。しかも吉田本人だってずっと悩んでて正直治したいと言ってる。本当は悩んでて気にしてる人が仕事だからと自虐ネタしても見てるこっちが辛いんだよな。全然気にしてない人とか、ちっとも欠点だと思ってない人、むしろ自信を持ってる人がネタにするんだったらまだいいんだけど。

bunshun.jp/articles/-/45291?pa
アメリカでスタンダップをやってる日本人芸人のインタビュー記事も続きであった。
「自虐ネタって、差別を笑いで昇華するというより、結局、ステレオタイプを助長してるだけなんじゃないのという疑念にずっとかられていた」「それが本当にこの3年くらいで、アメリカのコメディの潮流が変わって“脱自虐”の時代が来ているのは事実。僕も2年くらい前から、自虐ネタはやめています」

それなー「差別を笑いで昇華する」ならいいんだよな。だからハゲデブブスネタも、それで差別する奴らやそれを笑う奴らを馬鹿にして笑うんだったらわかる。

アンケートで賛同できる意見はこのへん。
「容姿でとる笑いはあっていいし、それこそプロの技で見せて欲しい。逆に安易なものや子供に悪影響を及ぼすようなネタしかできない芸人なら、見る方も拒否すべき。みんなで自浄作用が働く世界にしたい」※この人は見たいと回答
「そこまでしないと笑いがとれないのなら実力が無いのだろう」
「『お笑いはお笑い』と綺麗に線引きできる視聴者が全てではないから。私が小学生の時も、あるネタが流行れば、学校でそれを聞かない日はなかった」
「お笑い芸人の社会的な立ち位置が変わった。昔は『はぐれ者』という暗黙の共通認識が受け手にもあった。さんま氏や松本氏ら古い世代にはこの感覚があるようだ。しかし芸人の方々の努力の結果、オピニオンリーダーになってしまった。地位を手に入れたのなら責任が生まれる」
「役者も意地悪な役、犯罪者役、不倫する役を演じると本人がバッシングされることがあるが、視聴者側が成熟しないとダメ」
やっぱ見る側のレベルもあるんだよなあ

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賛同できない意見
「容姿をタブーにしたらそれで笑いをとっている芸人はネタがなくなる」→他のネタ書く才能がない前提??容姿に特徴のない芸人を見習おう
「それを売りにしてる人は売りがなくなったらどうするの?」→消えていい~~
「顔面偏差値とか国宝級とか褒めるのは良くて貶すのは差別って、その線引きこそ差別」→そういう褒め方も全然良くないんじゃ
「カッコいい可愛いもダメだし、背が高い低い、スリムとか容姿に関することが全部ダメになってしまう」→全部ダメなんじゃ
「笑いの毒には容姿イジりもふくまれる」→毒は強い者に吐いて
「そもそも“芸”というのは社会を諷刺するものです。その中には容姿で笑いをとるやり方も」→風刺って強い者に対してやるものだからさ…現政権とか資本主義とか…社会風刺として成立してる自虐ネタ見たことない気がする

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