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「ネオリベラリズムは、ジェンダーやセクシュアリティの差異に〝寛容〟である。かつて一様に社会から排除/周辺化されていたマイノリティ(の一部)を積極的に承認し、包摂する。一見すると「進歩的」で、耳触りのよい「多様性」等の言葉の下で、女性の「活躍」や、同性愛者の婚姻の機会を保障しようとする。しかし、それは事態のほんの表層的な一面に過ぎない。ここで問われるべきは、ネオリベラリズムは「多様性」の名の下で、誰を〝包摂〟しようとしているのかということ、そしてそれ以上に、誰を〝排除〟しようとしているのかということ、である。同性婚/同性パートナーシップは、婚姻制度そのものを脅かさない限りにおいて「承認」され得るが、差別の根源である天皇制および家父長制を支える婚姻制度※ 5そのものの廃絶を求める声は黙殺され、婚姻制度は死守される。労働市場で「活躍」し、市場に多くのカネを落とすという意味で、社会の「役に立つ」とみなされればマイノリティも積極的に包摂するが、「能力」の「活用」を拒否する「怠け者」や貧乏人は、「役に立たない」とみなされ徹底的に排除され、ネオリベラル資本主義の秩序は維持される。」

—『生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義』堅田香緒里著
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