美しい君には幾重もの愛を
「…また」
増えた。
高価なアクセサリーに高価な洋服。
日用品から宝飾品までなにもかもが帰属御用達。
私は平民でこのようなものとは無縁で生きてきたというのに。
ついこの前恋人になった男のせいでありふれた部屋に不釣り合いなものばかりが並んでいる。
僕が贈りたいだけだから気にしなくていいと、上機嫌な彼は言うけれど、そんな訳にはいかないし、それこそ恋人からプレゼントを貰って何もしないほど落ちぶれてもいないのだ。
しかし、彼は大貴族で庶民の私が一生働いても手にできないものをたくさん持っているし、簡単に買うことも出来る。
そんな彼に私が与えられるものあるのだろうか。
贈り物を上げたがる6とそれを持て余す7ちゃん。一方的なのは愛とは言わない的な。そんな話。