傍迷惑な話(ろくなな)
氷型と火型の間には子供ができない呪いがあるという噂がドーラン中を駆け巡る。
始祖の力を持つ救国の氷の魔女と公爵子息で自身も侯爵の位を賜る宮廷魔術師長の火の魔法使いが婚約したという話は少し前に大々的に話題となったこともありこの噂で、その2人の子供はどんなに魔法使いになるのかという話題は別の意味で話題となった。
この2人の婚約は無意味なものではないのかと。
冗談じゃない!と頭を抱えたのは火型の魔法使いのほうで。
それもそのはず、絶対に手に入らない身分差と確執を超えて、僅かな好意からやっとプロポーズを受けてくれたというのに。
こういう噂に疎いはずの彼女はこういう時ばかりは既に知っていて。