フォロー

嫉妬された男は上機嫌 

「そうやって大好きな女の子とこのまま楽しくおしゃべりしてたらいいじゃない」
君の仕事が終わったら今日は夕食に行きませんかと誘ったのは午前の話で、少し早くに着いたからとハーレの待合で待っていれば、破魔士や依頼人の女性たちに声をかけられた。
普段と違い交わして向かう先が引き継ぎ中で、それも叶わず、そもそも嫌いではないので、世間話に付き合ってもらい彼女の終業まで時間をつぶす形になった。
そして、仕事を終えた彼女は一言、冒頭のセリフを言ったのだった。
少しだけ呆気に取られた僕を置いて、本来だったら僕と出ていくはずだった扉を彼女ひとりで潜る。
楽しみにしてくれていた彼女の気持ちを台無しにしたことを謝って、早く誤解を解かなければと思うのに、自分の弄れている部分が満たされるような酷い感情が湧き上がる。
ああ本当に僕は最低な男だ。大切な彼女が傷ついてるというのに、嫉妬に囚われる彼女が可愛くて仕方ないのだから。
そのあと、足を止めた彼女の顔を見て、後悔とほんの少しの喜びが体を巡った僕はやっぱり彼女に相応しくないと思ったしそれでも絶対に手放せないのだと言い訳をした。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。