またたく星の下、夜のとばりに溶け込むように、そっと唇を重ね合う。目と目が合ったならそうするのが当然なふたりなのに、ノリムネさんときたら毎回「考え直せ」の一点張りだ。てめぇ、何のためにその顔で顕現されたんだ。自分とロマンスするためだろうが。
キヨミツくんはノリムネさんの頑固さに唇を噛みしめた。
「傷になるからやめなさい」
「誰のせいだと思っているの」
キヨミツのためなら昼間だってたちまち夜空に変えてみせる気概を持ってほしい。そんなささやかな願いが何故通じないのか!
キヨミツくんはわりと夢見がちだった。シュワっと溶けるお砂糖のような恋がしたい。