(社説)国立大学法案 拙速な立法 成立見送れ
(朝日新聞デジタル、2023年11月26日 5時00分)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15802119.html
〈国立大学協会の総会で永田恭介会長は「唯々諾々と認めてはいけない内容も含まれている」と発言。24日の会長声明は、設置の有無で予算配分に差をつけないことや大学の自主性・自律性の尊重などを求めた。国大協が審議中の法案に懸念を示すのは異例だ。
進め方が拙速過ぎる。大学ファンドの議論の中で大学の統治強化策として浮上。9月以降の限られた議論で法案ができた。大学に関する重要事項も審議する中央教育審議会などにも諮られていない。
衆院の委員会に参考人で呼ばれた学長や教授ら全員が最近まで法案を知らなかったと発言。国大協会長さえ、閣議決定まで法文を知らず対処しようがなかったと語る〉
〈参議院で、政府は説明を尽くす義務がある。疑念や懸念が解消できないのであれば成立を見送り、幅広く開かれた議論を重ねるべきだ〉
何のための国立大?“稼げる大学法案”で学問の自由が失われる…第2の学術会議問題になる可能性
(日刊ゲンダイ、2023/11/28 06:00)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/332554
〈「法案は財界と経産省の意向をくみ、官邸主導で“だまし討ち”のように進められた。大学に関する重要事項を審議する中央教育審議会に諮られることもないまま、10月31日に閣議決定され、国会に提出された。国立大学協会の会長も、閣議決定まで改正案の中身を知らなかったそうです」(文科省関係者)
拙速に進めるのは、国民が気づかないうちに成立させたいからなのか。大規模軍事研究や学問の利権化につながる“稼げる大学法案”の改悪は廃案にすべきだ〉