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『ヒットマン』観た

哲学教師がおとり捜査員の能力を発揮して顧客のお好みの暗殺者に七変化、な話。やや実話。サスペンスなラブコメお仕事映画と面白く観ていたら、いやいや…自己とは何か?自己変容の力を考えさせられてしまう、軽妙なポジティブハッピーの皮を被った毒という感じで、強烈なブラックさだった…!おお…!

捜査対象者や、捜査・司法自体に対する哲学教授としてのどこか趣味的な捉え方をしていたのが、いつしか最大の窮地に陥り、どこに着地するのか読めずハラハラして面白かった。その過程で、演技と自己が一体化していくあわい、ぬるっと一線を踏み越えていく様が、なんともおもしろ恐ろしい。相手に望まれる自分が、なりたい自分なのだろうか?そこに幸福を見出したという「自己認識でいる」のが、爽やかなのにえぐみのある余韻で。特に良いとも思っていなかったある種のイケてる男らしさに無意識に飲み込まれていく話にも見えるし。ある理由で嫌いだった犬派になって幸せ…?って、いやぁブラックだわ。

『ヒットマン』続き

そうそう、グレン・パウエルのこと。グレン・パウエルは、見ていて面白い俳優だな!と、今回特に思いました。というのは、派手なのか地味なのかわからない、知的にも愚かにも見える、善と悪の雰囲気も持っている、そいういう微妙なニュアンスを持っているのが、囮捜査員の役で発揮されていて、いや楽しかったですよ。

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