『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』観た
マジックアワーがあるよと教えてもらったので鑑賞。複雑な空の色と光、気だるいフロリダの空気とあいまって、とても切なさを感じる映像になってた。
鮮やかな建物と青空と温暖な空気、だからこそそこに包まれて存在する貧困が余計に意識される様に感じて、なんとも悲しい映画だった。こんなにカラフルで活力が溢れているのにね。
私は態度の悪い子供も大人も嫌いなのだが、それはそれとして、なんとか頑張って生活を立て直して欲しいじゃない、人として。そういう気持ちが、モーテル管理人やらご近所の態度や接し方に見られて、でもそんな単純に物事は変わらなくて、という歯痒さがずっと画面にあるように感じた。
娘のムーニーが母親から愛され溌剌と楽しそうに暮らしているこの瞬間は良いものに見えるが、やはり生育環境はどう考えても悪くて、ムーニーへの愛の形がもっと変わればいいのに…とここにも歯痒さが。
一切泣かなかったムーニーが悟って最後に見せる表情が悲しいし、逃げ込んだ先の虚構感が、私がディズニーを良いものと思っていないせいもあり、現実の解決しなさを煽る様に感じられて、ちょっと唸りましたね。