『クワイエット・プレイス:DAY 1』観た
サムとフロドの生きるための旅路。今この絶望的状況にあってやりたい事とは何か、その切実な思いがシンプルに伝わる大変哀愁漂う話で、ああ確かに『PIG』の監督の喪失感と優しさがある…!という感じ。焦点を絞りすっきりまとまってるのが、味わい深くて良かった。
あの前日譚って何をやるんだろう…とあまり興味が湧いていなかったのだけど、前2作とはまた趣が異なる人間ドラマで、これはこれで好きだったよ。
サムの選択がぬるっと進んで行くのだけど、それが自然というか、納得できるなぁという具合で、好きでしたね。サムの思いをサポートする失敗と成功も、あの状況での人間のささやかな優しさの発露として良かったな。みなそれぞれ、できるだけを頑張ってたよね。
エリックの恐怖に耐えがたい具合が大変よい塩梅だったなと。なんだか新鮮。彼の優しい部分なのだな。猫を見てああ~となるの、とてもわかる気がする。しかしあの状況で猫は賢すぎないかね?癒しだけど。
緩急のつけ方が程良いし、前作を観てるとわかる絶対安全領域があるのも、サムの思いに集中できて個人的にはいい感じだったですね。