『ポトフ 美食家と料理人』観た

1880年代を舞台に、美食家ドダンと料理人ウージェニーの料理と愛の人生。二人(と下働き)がきびきびと動き熱を込めて料理を作る様子がじっくりと描かれるのが良い。手間を惜しまず、素材を贅沢に使い旨みを引き出す料理の数々。美食倶楽部の面々も美味しそうに堪能するので、こちらの胃も刺激される。

観ていくうちに、二人にとって料理を作り食べることは芸術であり思想であり、それこそが生活で人生なのだという事が分かってくる。のだけど、こういう食、料理に情熱があり理解する能力がある人間以外はお呼びでない感じがあり、少し冷めた感じで観てもいた。美しく素敵には思うのだけど。なので下働きのヴィオレッタの気分で観ていたかも。彼女が時折微笑みながら働き、見つめているのに親近感。

それでも、二人の関係を進める決意をしたウージェニー、共に料理を作り上げる関係こそが最上の人生で幸福じゃない?と考えるウージェニーに答えたドダン、彼らの優しさと敬意ある関係は愛おしく素敵だと思えた。かけがえのない彼らだけのパートナーの形。

映像、音、光が大変繊細で美しくて、惜しみない料理への情熱の息づかいを楽しめた。

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『ポトフ 美食家と料理人』あと思ったこと

・本当に料理って手間がかかってめちゃくちゃ大変な労働だとしみじみ思う。美味しく温かくベストな状態で提供できる人はすごいよ。素晴らしい。料理人に敬意を。
・食の才能がある少女、よく作業を見てる真剣さがいい。味見が素直なのもいい。味見するときにグイッと皿を自分の方に引き寄せる強気なのがいい。大物感。
・舌平目用のたらいの様な鍋?があるのがすごい。料理へのこだわり、さすがフランス…
・仔牛のロースト、何回オーブンに入れるんだ…手間…手間がかかってる…でも旨味がしみしみでとても美味しそう。
・味、旨味のために素材の惜しまなさがね、さすが美食ってのは違うわ…
・美食倶楽部のおじさん達、鴨だったかな?の食べ方、皆でやってると滑稽だよね…。美食へ貪慾。美味しい料理があったからってテイクアウトしてくる熱意。

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