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『ベネデッタ』観た

17世紀ペストの時代、信仰心というか"神がいる状態"を信じるというか、とにかく信じぬく人間の圧倒的強さを見よ!という感じで、ベネデッタのブレない自信と信心で権威を掴みのし上がっていく様に、周囲も観客も震える作品だった。己を生きる事にこうも真っ直ぐだと、そうか行くところまで行ってしまえ!と応援するような、楽しくなってしまうね。

彼女の奇跡は本物か自作自演か?と疑いながら観るわけですが、個人的には途中からキリストの幻視が無くなった辺りから距離が出てきて自作だろうと解釈したけれど(幻視している事すら疑いの余地ある)、ベネデッタの揺ぎなさ、欲すらも信心で包み込んでしまう力強さに、どちらでもいいや…!という気分になるので面白い(そういう作りになってたと思う)。
幻視のキリストがとても俗っぽくて。彼女の願望だよなあ。

教会のビジネス側面、信心なぞない修道院長をシャーロット・ランプリング様が締まった表情で魅せる。一瞥の冷ややかなこと。醒めながら最後にベネデッタの枠に押し込まれていくのが、いやー面白い。
女性の全裸がばばーんと堂々と登場するのも清々しくて良いね。

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